当神社には、住吉大神の神使「兎」像が残されます。
住吉大神、住吉神社と兎・卯は密接につながり、神功皇后が住吉三神のご神託を受けた三韓征伐の凱旋後に、住吉(澄んだ水)の地に大神を祀ったのが卯年・卯月・卯日とされています。
卯つまり兎とは深い関係にあり、住吉大神の神使とされました。
住之江(澄の江)の住吉大社にも兎像は見られます。
当神社の丘陵を境に、古には南下に海が広がっていたとされています。
氏地からは、現在もしじみやはまぐりが出土しています。
つまり、以前は住之江(澄の江)と海で当地はつながっていました。
当神社が住吉大神の創祀の故実・卯年・卯月・卯日に御鎮座されたことや、兎像が残されているのは、この海(澄の江)との深い関わりにあります。
神功皇后所縁の住吉神社の一部に、こうした兎像が見られます。
当地周辺では当神社にのみ残されるものです。
住吉信仰を正当に受け継いだ若宮と当神社が称えられたのも、こうした経緯とつながります。
当神社に残される兎像は、いつ頃のものかはわかりませんが、元文年間に社殿のご造営があり、その頃のものだと思われます。
火災による崩落で、一部に損傷はあるものの、ほぼ原形をとどめ奇跡的に破却を免れています。
神性を帯びた神兎として、神域に大切に保存しています。